It's "C" time!!

ちふむ めしはしかやが気ままにつぶやきます。

妄想列車その①~東北本線夜行列車編~

 やれるかどうかは別として、いろんな列車を妄想したい。おそらく実現しないけど、ワンチャンできれば面白そう。今回は、東北本線に夜行列車を復活させてみたい。

区間

 まずは走らせる区間から。東北本線なら迷わず「上野~青森」と答えたい所だが、今回は「品川・東京~盛岡」へ区間を短縮する。というのも、東北新幹線が青森~八戸間を除いてほぼ並行している為、東北新幹線が動く時間帯はそちらに需要が流れると思われるからだ。そこで東北新幹線が動かない時間帯を補完する存在として考えて、盛岡までの運行が妥当ではないか、と考えた。一方、都心側の発着地点を「品川」に設定した理由は、上野東京ラインを活用して品川・東京・上野と都心側の発着場所を増やしたいからである。

②車両

 続いて車両だ。どの客層をターゲットにするかで車両も変わってくるが、今回は想像しやすくする為に実際の車両で考えたい。寝台特急用として「サンライズ瀬戸・出雲」の285系(の交直流対応バージョン)をイメージする事にする。7両編成だ。(あくまでも妄想なので細かい制約は一旦無視する。)

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285系。車両はこれをイメージしてほしい。

③ダイヤ

 続いてダイヤだ。今回は、かつて東北本線を走っていた夜行列車「はくつる」の晩年のダイヤを参考にした。

  

品川  23:03   6:27

東京  23:13   6:17

上野  23:22   6:07

大宮  23:52   5:40

小山  0:35     4:58 水戸線721M接続(上り)

宇都宮 1:00     4:33 宇都宮線1521E接続(上り)

 

(この間郡山・福島・仙台等に運転停車

 

一ノ関 5:25      0:15 大船渡線321D・東北線1521M(下り)、1556M(上り)接続

北上  6:00    23:40 北上線723D接続(下り)

花巻  6:10    23:30 釜石線1653D接続(下り)

盛岡  6:39    23:00 東北新幹線「はやて93号」「はやて98号」接続

 

 東北新幹線とのスムーズな接続を考慮して、盛岡方面は「はくつる」より約1時間遅く、品川方面は「はくつる」より約40分早いダイヤにした。また、停車駅を「はくつる」よりも増やし、北関東や岩手県南部の需要も狙う事にした。

 ④運賃

 一番気になる運賃。今回は「東京~盛岡」間で考える。東京~盛岡の営業キロは535.3kmで、運賃は8580円。特急料金は寝台車が2540円。合計すると11120円となる。

 寝台料金はまちまちだが、参考として「サンライズ瀬戸・出雲」の「シングル」を適用して7700円に設定する。そうすると、合計は18820円となる。もし「ゴロンとシート」が連結された場合は、特急料金は通常期で3070円。運賃と特急料金の合計で11650円。「寝台特急」としては申し分ないかもしれないが、制度を改正してもう少し寝台料金等の値段を安くした方が良いかもしれない。あるいは東北新幹線との割引料金を設定したり、「北海道&東日本パス」でも乗車できるようにしたり、「いわてホリデーパス」をセットでおトクに購入できる様にするのも一つの手か。

⑤ライバル

 ライバルについても考えてみたい。真っ先に思い浮かぶのは航空機と夜行バスだ。しかし航空機は敵にはならない。というのも、いわて花巻空港と首都圏を結ぶ定期便が運航されていないからだ。思わぬ所でライバルが消えた。東北新幹線恐るべし。

 夜行バスはどうか。今回はJRバス東北オリオンバスの2社と比較する。JRバスは「ドリーム盛岡号」がライバルだ。東京ディズニーランド及び都内4か所(渋谷・池袋・東京・王子)と盛岡駅を結んでいる。料金は時期によるが6700~10500円。設備は3列シートだ。一方、オリオンバス。東京~盛岡間で毎日4便夜行バスがある。北上停車便や一ノ関・花巻停車便もある。値段も3000~6500円とかなり安い。こちらは設備は4列シートだ。値段第一ならオリオンバス、設備も重視するならJRバスに軍配か。値段では寝台列車の勝ち目はなさそうなので、設備面で高速バスより優れている「ノビノビ座席」や「ゴロンとシート」を導入したり、夜行快速なら3列シート車両を作るなどして、「払う価値が高い質」を提供した方が良さそうだ。ダイヤは、時間帯が近そうなものを抜粋して以下にまとめる事にする。所要時間は高速バスと良い勝負だが、停車駅を考えると寝台列車に軍配が上がるか。

www.jrbustohoku.co.jp

www.orion-bus.jp

 

東京23:13 → 北上6:00 → 花巻6:10 → 盛岡6:39(架空寝台列車

東京23:10 → 盛岡6:35(ドリーム盛岡1号)

東京23:00 → 北上6:10 → 盛岡7:10(オリオンバス1321便)

東京22:40 → 花巻7:15 → 盛岡7:55(オリオンバス1451便)

上野22:23 → 盛岡5:30(寝台特急はくつる」)

 

盛岡23:00 → 花巻23:30 → 北上23:40 → 東京6:17(架空寝台列車

盛岡23:10 → 東京6:35(ドリーム盛岡4号)

盛岡21:00 → 花巻21:50 → 東京6:24(オリオンバス1452便)

盛岡21:30 → 北上22:40 → 東京7:00(オリオンバス1322便)

盛岡23:45 → 上野6:39(寝台特急はくつる」)

⑥乗車体験記風シミュレーション

 (盛岡方面)

 23時過ぎ、東海道線の列車の合間を縫うように列車は品川駅を発車した。東北新幹線上野東京ラインも最終列車が発車した後だ。東京・上野で3分ずつ停車し、お客を乗せていく。0時過ぎに放送が流れ、車内は消灯した。宇都宮線内で先行列車に少しづつ近づいて行き、小金井で先行していた1654Eを追い抜く。宇都宮駅を発車すると、次は一ノ関駅まで止まらない。しばしの間、眠りにつく事にしよう。

 5時25分、一ノ関駅。数は少ないが、客が降りて行った。5時50分に放送が流れ、車内に明かりが戻る。北上到着前に北上線の乗り換えがアナウンスされ、到着後は何人か北上線の列車に乗り換えていった。花巻でも客が一部降りたが、大半の客は盛岡まで乗りとおす様だ。6時39分。外が明るくなる中、列車は定刻通りに終点の盛岡駅に到着した。大勢の客が列車から降りる中、私は新幹線ホームに向かい、始発の「はやて」号に乗り込んだ。

 

 (品川方面)

 盛岡行きの「はやて」号に乗っていたが、大雨による徐行運転の影響で10分ほど遅れてしまった。盛岡到着は23時を過ぎてしまったが、寝台列車は接続を待ってくれていた。他の乗り換え客を共に急いで列車に乗り込むと、程なくして列車は発車した。北上を発車した直後に放送が流れ、車内は消灯された。寝る直前に一ノ関のホームの様子を見たが、数名の客が寝台列車を待っていた。

 関東の朝は早い。4時半過ぎの宇都宮駅に到着すると、宇都宮線の始発列車が発車を待っていた。小山駅では水戸線の始発列車。大宮駅到着直前に放送が流れ、現在定刻で運転している旨がアナウンスされた。遅れはすっかり取り戻したようだ。都心に近づいているが、始発列車よりも先に走っている為、快調に飛ばしていく。景色を見ていたら、いつの間にか上野駅に到着した。上野と東京で多くの客が降りて行った。高輪ゲートウェイ駅を通過したら、終点の品川は目前だ。

⑦総評・個人的予想

 ここまでいろいろな検証をしてきた。運賃では高速バスに対抗できない為、設備面で勝負しないといけないが、所要時間を考えるとあまり豪華な設備にもしづらい。また、ほぼ首都圏~岩手県内の利用となる為、需要も拾いづらい。ゴロンとシート」や「ノビノビ座席」を中心に様々な工夫をして、やっと高速バスと戦えるレベルなのだろうか。ちなみに、今回の検証で一番驚いたのが、ダイヤ設定の際に参考にした「はくつる」のダイヤが想定よりも所要時間が短く、意外と使いやすそうなダイヤだった事だ。東北新幹線とあまり競合していないあのダイヤで客足が伸びないのなら、遅かれ早かれ列車の廃止は避けられなかったのだろう。そう考えると、無策の場合この寝台列車も苦戦が予想されるのではないか。とはいえ、今回は新幹線含め各路線との接続はしやすい様にダイヤは組んだ。小さい需要を確実に拾い上げていく事が、この列車が長生きするカギになるものと思われる。

 

※参考資料

ほどちゃんの島 - 寝台特急はくつる

※続編

 

chifumu-m.hatenablog.com