It's "C" time!!

ちふむ めしはしかやが気ままにつぶやきます。

【追記あり】試されるホロライブ(著作権問題、さくらみこ休養)

 ホロライブを運営しているカバー株式会社(以下、運営)より、悪いお知らせが出た。

cover-corp.com

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著作権の問題に関しては、6月にも任天堂のゲーム配信にて問題を起こしている。

この為運営は、6月に引き続いて7月も著作権問題によって再び謝罪する事態となってしまった。また、これに関連してなのかは分からないが、所属タレントの大神ミオ(以下、ミオちゃん)の活動が一時休止となった(本人からの明確な発言はないが、ミオちゃんの過去の動画が著作権侵害の申し立てがあった為削除されたとの指摘あり)。

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 後出しの話になってしまうが、過去の動画の非公開についてはせめて6月の時点でやっておくべきであり、運営の対応は遅すぎる。そもそも無許諾で配信する事自体が問題であり、それが6月に発覚した時点で対応する事すら遅い方だ。運営の対応は杜撰で信頼を大きく落とす行為であり、それによる痛烈な批判は当然だろう。事態は今までで最悪の危機的状況だと感じている。

 著作権侵害は、Youtubeにおいてはかなり重いペナルティといえる。

support.google.com

  これを読む限り、ミオちゃんは90日間(約3か月)配信ができない可能性がある。ホロライブにおいて、ミオちゃんの休止は本当に痛い。なぜなら、彼女は企画力とMC力が高く、ツッコミ役もこなせる貴重な人材だからだ。企画を盛り上げられる人はたくさんいるが、企画を立てて実行に移せる人はそうそういない。その点で、ミオちゃんは本当に稀有な存在なのだ。

 今のホロライブを野球チームに例えるなら、ミオちゃんは正捕手だ。キャプテンも絶対的なエースも日本代表クラスの強打者も守護神もいる中で、正捕手として投手陣と野手陣を支えているのがミオちゃんだ。ホロライブは誰もがかけがえのない存在だが、ひときわミオちゃんの代役は思い浮かばない。それぐらい貴重な存在なのだ。

 6月の問題を乗り越えたのは彼女の存在がかなり大きい。面白い企画(桐生ココとの英会話・猫又おかゆ裁判長・占い後継者バトル・占い企画・ユニーク俳句王・ワードウルフ・ARK等)を連発し、任天堂をはじめ様々なゲーム配信ができない危機を乗り越えた。これに救われたタレントはきっと多いだろうし、面白い配信を続けた事で、視聴者離れも防いだ。だが、ミオちゃん自身がクリーンではないのが仇となった。今回の問題でミオちゃんは活動休止してしまったのだ。

 もっというと、さくらみこ(以下、みこちゃん)もいない。彼女も6月に面白い企画(すごろく・英語教室・偽さくらみこ凸待ち・ARK等)を立て、精力的に動いていた。だが、今は体調不良の為休養している。6月の危機の際に精力的に動いていたミオちゃん、みこちゃんの2人が今は一時離脱しているのだ。個性の強い各タレントをまとめあげる力があるこの2人が今この場にいないという事実は、自業自得だがホロライブにとっては大きな痛手を負ってしまったと感じている。

  今後、ホロライブはどうなるのかは分からない。ゲーム会社や製作者が名指しでホロライブを本気で批判し始めたら、ホロライブは終わると思う。一方で、権利関係を厳しく追及したらゲーム会社や権利者側にもブーメランが刺さるかもしれない(権利者側で目立った動きが少ないのはこれが理由かもしれない)。ゲーム実況配信自体が廃れるかもしれないし、逆にゲーム実況はもはや無視できない存在としてますます影響力を強めるかもしれない(例えばゲーム会社専属のVtuberを用意して自社のゲームを配信する、というやり方は今後の可能性として考えられる)。

 配信は面白ければ正義だ。外食産業で美味しいものが支持されるのと一緒だ。いくら添加物を使っていようが、衛生環境が不潔だろうが、従業員の待遇面が悪かろうが、美味しければ大抵は許されると感じている。ただし「大抵は」というのがミソで、例えば飲食店で食中毒を起こすことは絶対に許されない。産地偽装や賞味期限切れの食材を使う事は大問題だ。今回の著作権問題は産地偽装食材の使用と似たようなもので、「いくら配信が面白くても、それは許される行為ではない」と感じている。

 今回の件はホロライブだからこそ起きた問題だが、影響はホロライブだけの問題ではない。チャンネル登録者数はバーチャルYoutuber全体でも上位にいるタレントが多く、それだけ良くも悪くも注目される度合いが高いと言える。今までは応援してくれるファンの事だけを考えれば良かったかもしれないが、今後はファンじゃない人(場合によってはアンチも含む)の事も考えなければならない。それくらい注目度と影響力が強い立ち位置になってしまった。これからはますますモラルも求められるだろう。

 配信は、人のふんどしで相撲を取っているようなものだと感じる。だからこそ、ゲームでも歌でもそれ以外でも、作った人や関わった人へのリスペクトは絶対に必要だ。タレントはリスペクトを忘れずに楽しんで配信してほしいし、運営はグレーや黒にならない様にタレントを導いてほしい。アイドルにしろ芸人にしろ、タレントに不祥事はどちらも似合わない。

 試されるホロライブ。Vtuber業界のトップランナーになれるのか。健全化の流れで生き残れるのか。この状況でも救いの手を差し伸べる所はあるのか。所属タレントが本当に「アイドル」として羽ばたいていけるのか。正直、今は厳しい状況であり、安易な見通しなどない。

 だが、見放してもおかしくない(実際に見放した人達もいる)状況の中で、それでも応援している人達がいる。下手したらファンでいる事自体が批判される状況にある中で、それでもファンを辞めずに応援し続ける人達がいる。その事実に、私は目頭が熱くなる。運営もタレントも覚えていてほしい、応援してくれる人達がいる事を。褒めつつ、叱りつつ、心配しつつ、それでも見放さずに応援してくれる人達がいる事を。私もその事は忘れないから。

 

【追記】任天堂とカバー株式会社が包括契約を結んだ。

www.nintendo.co.jp

 6月にいちから株式会社(にじさんじ運営)が包括契約を結んだときは「いちからの大ファインプレー」だと思ったが、今回は「カバーの大ファインプレー」だと思う(ついでに、アップランドも大ファインプレーしている)。Vtuber業界の健全化に向けた第1歩であり、他のゲーム会社とも包括契約を結んでこの流れに追従してほしいと感じている。一連の不祥事でカバーは批判されても仕方ない事をしたが、任天堂の件については責任は果たしたと感じた。