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勝手に鉄道会社の将来予想(終電編その2)【常磐線の終電が繰り上がったら、私鉄はどう動く?】

 JR東日本が最終電車(終電)の繰り上げを行う事を決めた。

首都圏終電は30分繰り上げ…JR東、10月にも路線ごとの詳細公表 : 経済 : ニュース : 読売新聞オンライン

 JRの終電がどのくらい繰り上がるか、どの列車が新たな「終電」となるのかは、先日以下の記事で予測した。

chifumu-m.hatenablog.com

  そこで気になるのが、地下鉄・私鉄各線の動きだ。もし終電を繰り上げる場合、JR東日本の動向は参考にするはずだが、乗り入れ先の各路線とのダイヤ調整が優先されるだろう。あるいは、JRに対して終電で優位に立つ為にあえて終電をそのままにする可能性はある。どちらに転んでもおかしくないのだ。実際に私鉄の終電が繰り上がる可能性はあるのかどうか、現行の平日のダイヤを参考に検証してみたい

 今回は、常磐線に接続している新京成電鉄・流鉄流山線東武アーバンパークライン関東鉄道常総線を取り上げる。この4路線はいずれも常磐線から枝分かれする形で路線が伸びており、常磐線とは深いつながりがあると考えているからだ。また、北千住で接続する各路線についても検証してみたい。なお、この記事はあくまでも個人的予測である。終電に関する明確な情報は、執筆時点ではJR東日本以外発表されていないので注意してほしい。

 

常磐線快速・常磐線各駅停車

 

 まずは、基準となる常磐線について考えたい。快速については、上野23:42発の最終土浦行きについては土浦0:46着の為、今回はそのまま存続されるのではないか。取手以南については、上野0:12発が取手行き最終(松戸で各駅停車我孫子行きに接続)、上野0:23発が我孫子行き最終(北千住で各駅停車松戸行きに接続)、上野0:34発が松戸行き最終という形に変わるのではないか。また、各駅停車については、1時台に運転されている3本は全て見直しを受けそうである。以下に、ダイヤの予想を提示する。

 

(快速)上野0:12→0:22北千住0:22→0:32松戸0:32→0:40柏0:40→0:52取手

(快速)上野0:23→0:35北千住0:35→0:44松戸0:44→0:53柏0:53→0:58我孫子

(快速)上野0:34→0:44北千住0:44→0:54松戸

 

(各駅停車 千代田線直通)北千住0:14→0:28松戸

(各駅停車 千代田線直通)北千住0:22→0:35松戸0:35→0:49柏0:49→0:55我孫子

(各駅停車 千代田線直通)北千住0:40→0:53松戸

 

新京成電鉄

 

 新京成電鉄松戸駅を起点として、京成津田沼駅までを結んでいる路線である。放射状と環状の両方の性質を持ち、JR武蔵野線北総線成田スカイアクセス線など様々な路線と接続している。松戸駅では常磐線のホームに並ぶ形でホームが設置されており、JRの「1~6番線」に続く形で「7・8番線」を名乗っている。

 現行の松戸発の終電は京成津田沼行きが23:44発、新津田沼行きが0:06発、くぬぎ山行きが0:42発である。どの列車も終着駅に1時前に到着できる様に設定されている。夜間~深夜時間帯は毎時5~6本走っているが、常磐線との接続については列車によって時間はまちまちだ。もっとも、お互いに終電までそこそこ列車の本数はあるので、長時間待たされる事はないと言えるだろう。

 さて、常磐線の終電が繰り上がったらどうなるか。京成津田沼行き・新津田沼行きは北総線東葉高速線・京成線の終電との接続を考えるとそのままだと思われるが、くぬぎ山行きの終電は1本~2本繰り上がるのかもしれない。繰り上がる場合、松戸0:20発の快速取手行き・0:21発の各駅停車我孫子行きとの接続は維持されるのか気になる所。2本繰り上がる代わりに最終くぬぎ山行きを0:26頃の発車にして、常磐線との接続を取る形になるのだろうか。

 松戸方面の最終も、松戸~くぬぎ山間で1本~2本繰り上がるかもしれない。現行の最終松戸行きは、京成津田沼で成田空港発の終電となる快速京成高砂行きの接続を受けてから発車しているものと思われるが、これはくぬぎ山行きに短縮して、松戸方面については成田スカイアクセス線アクセス特急で新鎌ヶ谷乗換でカバーする形になるかもしれない。新京成の場合、終電が繰り上がっても多少の工夫で利用客への影響は最小限に抑えられる、と見ている。

 

流鉄流山線

 

 流鉄流山線は、馬橋駅を起点に流山駅まで走っている。現在は西武鉄道から譲渡された2両編成の列車が、それぞれ異なるカラフルな装いで走っている。馬橋駅での流鉄のホームと常磐線のホームは線路を挟んでお互いに見える位置にある。

 現在の馬橋発の終電は0:17発の流山行き。15分~20分の等間隔が多い流鉄で、一見中途半端な時刻に思えるが、これは0:14着の常磐線我孫子行きとの接続を考えているからかもしれない。常磐線の終電が繰り上がったとしても、この我孫子行きに変化が起きるとは考えづらく、流鉄側で特に事情がない限りは終電は繰り上げせずにそのままになるのではないか

 

東武アーバンパークライン

 

 東武アーバンパークラインは、埼玉県の大宮駅と千葉県の船橋駅を結ぶ環状型の路線である。近年は新型車両の導入や特急・急行運転の開始、複線化・高架化なども進んでいる。常磐線とは柏で接続する。ホームは常磐線に平行する形で設置されており、柏止まり以外の列車はここでスイッチバックしている。

 現在の終電は、大宮方面は大宮行きが23:30発、岩槻行きが23:50発、春日部行きが0:02発、七光台行きが0:50発(土休日は0:26発)だ。一方の船橋方面は船橋行きが0:22発(土休日は全区間の終電)、高柳行きが0:56発(土休日運休)だ。つくばエクスプレス(TX)・北総線などの他路線の終電との接続も考慮されている

 常磐線の終電が繰り上がった場合、影響がありそうなのは平日の終電だろう。平日のみ土休日と比べて2本分終電が遅い為、見直しされるとしたらそこではないか。一方で、土休日や七光台以西・高柳以南は変更はないものと思われる。また、各路線との終電と接続している関係上、東武だけの判断で終電の繰り上げはできないと考えられる(例えば七光台行きの終電を繰り上げた場合、そのままだとTXの終電との接続ができなくなってしまう)。JRはもちろん、TXや北総鉄道との調整は必至だろう。

 

関東鉄道常総線

 

 関東鉄道常総線は、取手駅を起点として下館駅までを結んでいる。全線非電化の路線であるが沿線のベットタウン化が進んだ事で、取手側では複線化や高頻度な運転も行われている興味深い路線となっている。取手駅常総線ホームは常磐線のホームと並行する形で設置されており、番線もJRに続く形で「7・8番線」となっている。

 現在の最終列車は、下館行きが21:47発、下妻行きが23:07発、水海道行きが0:19発となっている。常磐線の終電が繰り上がったとしても、さすがに下館行きや下妻行きの最終列車が繰り上がるとは考えづらい。水海道行きについても、接続する常磐線の列車が上野発23:27の取手行き(取手0:11着)と考えると、決して遅い時間の出発とは言えない常磐線土浦行きの最終よりも早い)。また、TXから最終の水海道行きに乗り継ぐ場合は秋葉原23:45発のつくば行き終電から守谷で乗り継ぐパターンが一般的だと思われる。TXの終電繰り上げが行われた場合でも、この列車については変更なしか守谷止まりになると思われる。常磐線だけでなくTXとの接続を考えても、常総線の最終列車は繰り上げせずにそのままになるのではないか

 

東京メトロ千代田線

 

 続いて、北千住で接続する各路線の検証をしてみたい。まずは、千代田線から。

 千代田線については、1時台に運転されている列車の見直しが行われるものと思われる。北千住0:37発の我孫子行きは松戸行きに短縮し、常磐線快速の接続を受けてから発車、1:04発の松戸行きは廃止されるものと思われる。初電も1本分繰り下げは行われるかもしれない。ただし、代々木上原方面の終電はそのまま変更はないのではないか。

 

東武スカイツリーライン日比谷線

 

 次は東武線。現行の終電はいろいろあるが、ここでは0:39発の区間準急北春日部行きと0:40発の各停北越谷行きを取り上げる(土休日の終電は0:39発の各停竹ノ塚行き)。

 各停北越谷行きは東京メトロ日比谷線からの直通列車であり、北千住に0:37に到着する。区間準急は浅草始発なので、北千住でお互いに乗り換えできるようなダイヤになっているものと思われる。また、千代田線の我孫子行きは北千住0:35着、綾瀬方面からの北千住止まりは0:30着、常磐線快速の取手行き最終は北千住0:35発となっている為、この3列車からの乗り換えも考慮されているのかもしれない。

 一方の日比谷線。終電は中目黒行きが0:02発、南千住行きが0:28発である。中目黒行きについては中目黒で接続する東急東横線を意識した時刻設定となっている。また南千住行きについては、北千住までの東武スカイツリーライン上りの終電を兼ねている。北千住で常磐線快速上野行きの終電や快速取手行きの終電、各駅停車我孫子行きの終電に乗り換えられそうなダイヤとなっている為、常磐線の終電繰り上げで多少の影響は受けるかもしれない。とはいえ、大幅な見直しは行われないのではないか。

 ここまで考えると、常磐線の終電が繰り上がったとしても、東武線・日比谷線は他の各路線の接続を考慮すると簡単に終電の繰り上げはしづらい常磐線の終電繰り上げによってダイヤが変わる事は考えにくい

 

つくばエクスプレス(TX)

 

 つくばエクスプレスは、2005年に開業した路線だ。建設時は「常磐新線」と呼ばれ、常磐線の混雑緩和が期待されていた。開業後は沿線の発展に大きく貢献しており、利用客の増加に伴いつくばエクスプレス自体の混雑緩和が課題となっている。

 現行の最終列車は秋葉原23:45発(北千住23:56発)の普通つくば行きと、秋葉原0:18発(北千住0:29発)の普通守谷行きだ。TXの最終守谷行きは、流山おおたかの森東武アーバンパークラインの終電に接続している。この為、もし終電を繰り上げる場合は東武側と調整が行われるものと思われる。お互いに1本ずつ終電を繰り上げる形となるのだろうか。終電が繰り上がる場合、北千住始発の八潮行きは回送列車化されるのではないか。

 

まとめ

 

 新京成電鉄松戸~くぬぎ山間は終電繰り上げの可能性あり それ以外はそのまま

 流鉄流山線終電繰り上げの可能性は低い

 東武アーバンパークライン平日の七光台行き・高柳行きは見直しの可能性あり TXとの調整は必至

 関東鉄道常総線最終列車繰り上げの可能性は低い

 千代田線…1時台に運転されている列車が見直しされるかも

 東武スカイツリーライン日比谷線常磐線の終電繰り上げによってダイヤが変わる事は考えにくい

 つくばエクスプレス終電繰り上げする場合は、東武との調整は必至

 

 ここまで予測してみたが、終電繰り上げする所としない所に分かれそうで、一概には言えない結論となった。繰り上げするにしても、小幅な動きにとどまりそうだ。また、東武に関しては東京メトロやTXなど様々な他社との調整は避けられず、その結果次第でどの方向に転んでもおかしくない。終電繰り上げについては、世間で予想されているより簡単には進まないのではないか