It's "C" time!!

ちふむ めしはしかやが気ままにつぶやきます。

こえていくホロライブ

  「こえていくホロライブ」。良い響きだ。

 先日、女性Vtuberグループ「ホロライブ」から2度目の全体ライブが発表された。1月24日の全体ライブから早10か月。1月当時のホロライブは人気を集めて始めており、どの所属Vtuberも登録者数や注目度がうなぎ登りだった。その勢いはこの10ヶ月間加速し続けている。日本のみならず海外からの人気も集めているホロライブは、国内で5期生の加入を発表する一方で、「ホロライブインドネシア「ホロライブEnglish」等を立ち上げ、海外へ本格的に進出した。チャンネル登録者数も増え続けており、登録者数100万人を突破したVtuberが3名出ている(11月現在)。今後も、100万人を「こえていく」Vtuberは増え続けるだろう。

 全体の人数も増えた。だいぶ層が厚くなった。音楽レーベルの「イノナカミュージック」や男性グループの「ホロスターズ」なども含めると、50名*1(11月現在)が所属している。人間界から、電脳世界から、魔界から、異世界から、様々な逸材がホロライブに集まった。種族も、言語も、生まれた世界も違う彼女達は、種族の壁を「こえて」、言語の壁を「こえて」、そして世界の壁を「こえて」、今日もリスナーを楽しませている。

 仮想空間と現実の融合も進んだ。見た目やプロフィールが「仮想」的なのに対し、配信や他のVtuber・リスナーとの交流は「現実」的と言える。所属タレントにはそれぞれ「プロフィール」があるが、彼女達は良い意味でそれにとらわれずに「こえて」いった。先輩・後輩や同期との交流が刺激になったのか、彼女達の変化や成長を見る事が出来た。仮想空間と現実の融合による変化―私は、これはホロライブのみならずVtuberの大きな魅力だと考えている。

 その一方で「試練」も多かった。配信の無許諾問題があった。失言の問題もあった。規約違反もあったし、国際問題も起きてしまった。それ以外にも、大小問わずいろいろな問題が起きてしまった。広い意味では、体調不良も一種の試練と言えるかもしれない。あるいは、新型コロナウイルス(COVID-19)の流行と生活様式の変化も試練だろうし、プライベートな事柄でも試練があったかもしれない。

 注目度が上がるのは必ずしも良い事ばかりとは限らない。やっかみも生まれやすいし、アンチや荒らしも集まりやすくなる。何かやらかしたら、たちまち炎上してしまう。何よりも、仮想空間と現実が融合する事は「現実世界で起こりうる問題」に仮想空間が巻き込まれてしまう危険もある。そして、それらの危険は現実に起きてしまった。これらはVtuberや運営の行動だけでなく、「問題にする側」のお気持ちや論理次第で動く部分も大きい。そして、それらは事実関係や第三者が共感できるかどうかに関係なく引き起こされる事もある。今後も、同じような危険が繰り返されてしまうかもしれない。そしてその危険を完全に除去する事はできないだろう。

 しかし、彼女達はそれらの「試練」を「こえて」いった。企画を立てて場を盛り上げた者もいる。今できる事は何かを考えて実行した者もいる。休む事を選び、自分を見つめ直した者もいる。半ば強制的に配信から離れた事で、配信する事の楽しさや仲間の温かさを実感した者もいる。彼女達にとっても、リスナーにとっても、運営にとっても、私にとっても辛い時期が続いた。だが、試練をのり「こえた」彼女達は、以前よりもより一層輝いて見えている。

 

 勢いのとまらないホロライブ。彼女達の作り出す物語は、私の予想を大きく「こえて」ドラマチックに動いており、私の想像をはるかに「こえて」魅了している。今後も、彼女達はいろいろなものを「こえて」いくだろう。大台を「こえて」、世界を「こえて」、仮想空間と現実を「こえて」、試練を「こえて」、私の想像を「こえて」いく―次に彼女達は何を「こえて」いくのだろうか?「こえた」先にはどんな未来が待っているだろうか?

*1:但し、ホロライブCNを除く。ホロライブCNは所属する6人全員の卒業が発表された為、今回カウントはしていない。