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ちふむ めしはしかやが気ままにつぶやきます。

「令和版」ムーンライトえちご~妄想列車その②〜

 やれるかどうかは別として、いろんな列車を妄想したい。おそらく実現しないけど、ワンチャンできれば面白そう。今回は、かつて首都圏と新潟を結んでいた夜行快速「ムーンライトえちご」を、時代に合わせた大胆なアレンジを加えて、令和に復活させてみたい。

区間

 「ムーンライトえちご」は前身となる列車が1985年に運転を開始して以来、運行休止になるまで「新宿~新潟・村上」で運転されていた。だが、今回は思い切って首都圏での発着駅を変更して「品川・東京~新潟」とする。というのも、首都高速中央環状線バスタ新宿が整備された今、新宿・池袋は高速バスの優位が揺るがないものになっていると感じるからだ。そこで、上野東京ラインを利用して品川・東京発着にする事で、東京東部や千葉県の需要を狙う作戦を取りたい。東京からはディズニーリゾートへ、品川からは羽田空港や横浜方面へのアクセスも可能だ。

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上野駅にて。この案内板に「新潟」は加わるだろうか。

②車両

 車両は、新潟車両センターE653系1000番台(7両)を使用する。E653系は「スターライト上野号」などで、新潟と首都圏を結ぶ臨時列車の運行実績がある。かつての「ムーンライトえちご」を受け継ぎ、全席指定席・禁煙として、編成のうち1両はグリーン車、もう1両はレディースカーとして運転する。E653系の場合は1号車(品川寄り)がグリーン車、7号車(新潟寄り)がレディースカーとなる。なお、新潟で車両を捻出できない場合は、大宮総合車両センターのE257系2000番台(9両)や651系1000番台(7両)を使用する。E257系や651系は新潟への入線実績はないものの、かつて165系や大宮常駐の183系が運用されていた事を考えると、試運転と乗務員訓練を済ませれば冬季以外は運用に大きな制約はなさそうに思える。

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E653系1000番台。かつて走っていた485系の後継といえる。

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E653系の車内

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651系1000番台。代走での活躍を想定している。

③停車駅・ダイヤ 

 かつての「ムーンライトえちご」の停車駅を踏まえて、次のようにする。

 

品川、東京、上野、大宮、高崎、長岡、見附、東三条、加茂、新津、新潟

 

これを基に、ダイヤを設定する。

 

(新潟行き 時刻は深夜時間帯は発車時刻、早朝時間帯は到着時刻)

品川 23:03 

東京 23:13 3分停車(23:10着)。

上野 23:20 2分停車(23:18着)。

大宮 23:48 3分停車(23:45着)。

高崎 1:20   25分停車(0:55着)。高崎線終電(1:14着)の接続を受けてから発車

長岡 3:39

見附 4:05

東三条 4:14

加茂 4:21

新津 4:36

新潟 4:51  白新線羽越本線快速村上行き、越後線吉田行きに接続

 

 新潟行きは、品川発車後は上野東京ラインの合間を縫って首都圏を抜け、高崎で長時間停車する。高崎から先はかつての「ムーンライトえちご」のダイヤを受け継ぐ形とするが、2021年3月のダイヤ改正に対応して高崎にて高崎線の終電の接続を受けるようにした。

 

(品川行き 時刻は深夜時間帯は発車時刻、早朝時間帯は到着時刻)

新潟 23:58 越後線終電(23:34着)の接続を受けてから発車

新津 0:17   3分停車(0:14着)。信越線終電(0:06着)の接続を受けてから発車

加茂 0:32

東三条 0:40

見附 0:50

長岡 1:30 30分停車(1:00着)。

高崎 4:00 20分停車(4:20発)。

大宮 5:22 3分停車(5:25発)。

上野 5:50 3分停車(5:53発)。

東京 5:58 3分停車(6:01発)。

品川 6:09

 

 品川行きは、かつての「ムーンライトえちご」のダイヤよりも遅く設定した。これは、首都圏での保線作業時間の確保も考えたからである。ただし高速バスへの対抗も考え、東京には6時前に着くようにした。長岡と高崎で長時間停車して時間調整しつつ、籠原以南は初電の約30分前に走るようにして、保線作業への影響をできるだけ最小限に抑えるようにしたい。

④運賃

 今回は「東京~新潟」間で考える。東京~新潟の営業キロは333.9kmで、運賃は5720円。指定席料金は530円。計6250円となる。快速列車なので「青春18きっぷ」や「休日パス」など、各種のおとくなきっぷが利用可能だ。

⑤ライバル

 やはり最大のライバルは高速バスだろう。今回は、新潟交通のホームページより、「東京線」で比較してみたい。「東京線」は池袋駅東口(一部はバスタ新宿)から発着し、練馬・川越的場を経由しつつ、六日町・長岡・三条など新潟県内各地に停車しながら新潟まで運行している路線だ。新潟交通・西武バス・越後交通の3社で運行されている。

www.niigata-kotsu.co.jp

  所要時間は池袋~新潟で約5時間~5時間半。料金は6種類の変動制で、池袋~新潟で「3200~7900円」となっている。週末に設定日が多いA運賃は5900円、繁忙期に設定日が多いS運賃は6900円となっており、A運賃なら高速バスが安く、S運賃なら「ムーンライトえちご」が安くなる。ダイヤが「ムーンライトえちご」と近い便を抜粋して、以下に比較する。

 

東京23:13→上野23:20→長岡3:39→新潟4:51(ムーンライトえちご 新潟行き)

バスタ新宿23:00→池袋駅東口23:30→長岡北4:02→新潟駅前4:57(31便 越後交通

 

新潟23:58→長岡1:30→上野5:50→東京5:58(ムーンライトえちご 東京・品川行き)

新潟駅前23:35→長岡北0:30→池袋駅東口5:05→バスタ新宿5:30(34便 西武バス)

 

 比べてみると、所要時間は鉄道と高速バスで大差はなさそうだ。ただし、高速バスは首都圏での所要時間がかかっている。東京方面のムーンライトえちごは時間が遅くなっているが、東京に6時前に着くのなら、高速バスに対して大きなハンデにはならないのではないか。

⑥総評・個人的感想

 かつての「ムーンライトえちご」同様、運賃・所要時間では高速バスに対して十分対抗できるものと思われる。品川・東京発着にする事で、高速バスに対抗しつつもある程度の住み分けはできるのではないか。ただし、保線作業時間の間合い確保を考えると首都圏ではかつてのような早朝のダイヤ設定は難しい為、東京着はもう少し遅くする必要があるかもしれない。また、需要が少ない場合は見附・東三条・加茂は通過した方が良いのかもしれない。

 なお、現在はコロナ禍で長距離移動の需要そのものが大きく低下しており、JR・バス会社ともに苦しんでいる。まずは情勢が落ち着き、かつてのように旅行しやすい世の中になる事を私は望んでいる。

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かつての使用車両、485系。列車が復活する日は来るのだろうか。

※写真は全て筆者撮影。

 

※参考資料

JR東日本:東日本旅客鉄道株式会社

ほどちゃんの島 - 快速ムーンライトえちご(新宿 - 新潟間2009年3月13日まで毎日運転)

 

※前回

chifumu-m.hatenablog.com