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ホロライブゲーマーズの構想とは?〜Vの考察その②

 Vtuberに関するとりとめのない話や思った事などをまとめて記事にしてみたい。「Vの考察」と名付けよう。今回は、幻の構想編。

ホロライブゲーマーズとは何か?

  「ホロライブゲーマーズ」とは、2018年12月に設立された女性Vtuberグループ「ホロライブ」内のユニットである。白上フブキ(1期生と兼任)、大神ミオ戌神ころね猫又おかゆの4名で成り立っている。大神ミオは2018年12月に、戌神ころね猫又おかゆは2019年4月にデビューした。白上フブキを除く3名は、ホロライブ2期生がデビューした時期(2018年8・9月)と3期生がデビューした時期(2019年7・8月)の中間に位置している為、事実上「ホロライブ2.5期生」ともいえる。ゲーマーズ」と名乗るだけあってゲーム配信が中心だが、雑談や歌ってみた動画などその他のポテンシャルの高さも見せており、アイドルとしての一面も持ち合わせている。

 

元々のコンセプトは何だったのか?

 だが、ホロライブゲーマーズの現状は、実は設立当初のコンセプトとはかなり異なっている。ここで元々のコンセプトを振り返ってみよう。

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 「ホロライブゲーマーズは、昨今盛り上がりを見せるVTuber同士のゲーム大会などでの活躍を目指して設立した、ゲーム実況やゲーム大会を中心に活動するホロライブ専属VTuberによる新ユニットです。(中略)今後、既存の専属VTuberの参加も検討しています。

 おわかりいただけただろうか。先日、Vtuber同士のゲーム大会として渋谷ハル主催によるFPSゲーム「APEX」のVtuber最協決定戦が開催されたが、そこにはホロライブゲーマーズに所属していないホロメンも参加していた。また、既存の専属Vtuberの参加は今のところ実現していない。2019年4月以降、4名での体制が続いている。

 

vtuber-esports.jp

 

幻のホロライブゲーマーズ構想

 では、ホロライブゲーマーズ設立当初はどういう構想を考えていたのだろうか。いろいろパターンを妄想してみよう。

 

①どのゲーム大会でもホロライブは「ホロライブゲーマーズ」として参加。メンバーはゲーム大会によってその都度変化

 例えば、先に挙げたVtuber最協決定戦では、1期生の夏色まつりや4期生の常闇トワ等も参加していたが、彼女らも「ホロライブゲーマーズ」の一員として参加する。テトリスの大会では星街すいせい赤井はあとが「ホロライブゲーマーズ」として参加するかもしれないし、マリオカートの大会では湊あくあが「ホロライブゲーマーズ」として参加するかもしれない。

  

②既存Vtuberがゲーム配信する際は、「ホロライブゲーマーズ」として配信を実施

 例えば、ホロメンがゲーム大会に向けた練習等でゲーム配信をする際は、「ホロライブゲーマーズ」として配信を行う。ゲーマーズにはチームロゴやテーマソングも用意されているので、配信のOPやED等で使用し、メンバー内で統一感を出す。

 

③「ホロライブ」と「ホロライブゲーマーズ」の兼任Vtuberを増やす。

 白上フブキに続いて、「ホロライブ」と「ホロライブゲーマーズ」の兼任者を増やす。0・1・2期生にとどまらず、3期生以降やイノナカミュージックとの兼任も検討する。

 

④「ホロライブゲーマーズ」オリジナルメンバーの拡充。ゲーム実況者集団としての地位を確立し、「ホロライブ3本柱」の1つになる。

 既存Vtuberの参加を進める一方で、戌神ころね猫又おかゆに続くオリジナルメンバーを募集する。人数の拡充を進め、最終的にはアイドル・バラエティ路線の「ホロライブ」音楽レーベル「イノナカミュージック」と並ぶホロライブ3本柱」を形成し、ゲーム実況者集団「ホロライブゲーマーズ」として、その地位を確立する。

 

コンセプトが変わった理由

 だが、ホロライブゲーマーズのコンセプトは方針転換された。コンセプトが当初から変わった理由を推測したい。

 

①想定以上に高かったゲーム大会参加へのハードル

 上でテトリスの大会やマリオカートの大会を例に挙げたが、これらの大規模な大会へホロメンの参加は聞いたことがない(但し、私がホロライブを知った2019年秋以前は参加していた可能性はある)。そもそも大会の開催自体が少ない事、ホロライブで大会を主催するとしても信用度や準備時間・労力等を考えると課題が非常に多い事、大会の出場者のレベルが想定以上に高く、参加しても勝ち目や盛り上がる可能性が薄い事、など様々な要因が考えられる。ひっくるめて言えば、「ハードルが想定以上に高かった」のかもしれない。

 

②アイドル路線の副作用

 ホロライブは「アイドル」路線を明確にしている。特徴の一つとして「男性との絡みがかなり少ない」事があげられる。これはアイドルとして人気と躍進につながっていると感じるが、「副作用」もある。ゲーム大会の大半は男性も多く参加する為、ホロメンがゲーム大会に参加すれば必然的に男性と絡む機会が発生してしまうのだ。そうなると「アイドル」路線と「ゲーマーズ」路線が対立する。「アイドル」路線を優先するにはゲーム大会への出場制限が必須だが、「ゲーマーズ」路線を優先するなら大会を通して男性との絡みは避けられない。実に悩ましい問題だ。

 


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③何か一種類の配信に頼るリスク

 2020年6月~8月にかけて、ホロライブがゲーム等を無許諾で配信していた事が発覚した。その為、ゲーム配信が一時期制限された他、アーカイブの非公開や一部メンバーの活動休止も発生してしまった。是非はおいといて、この件によってあるリスクが露呈されたと感じた。「何か一種類の配信に頼る事」だ。ゲーム配信が制限されていた間、ホロメンは企画や歌枠、雑談等様々な配信でこの異常事態を乗り越えた。だが、もし今よりもっとゲーム配信に特化していたら影響はより深刻化していたかもしれない。ゲーム配信しかやっていないVtuberが、何らかの理由でそのゲームを配信できなくなったら、一体何を配信すればいいのだろうか?

 

④ゲーム実況者の取り込み不足?

 少しメタな話になるが、有力なゲーム実況者を所属Vtuberとして想定よりも採用できなかったのかもしれない。これもいろいろ理由が考えられるが、例えばガッチマンVのように、高い知名度を持っているゲーム実況者は自分の名前をそのまま活用した方が優位だし、ホロライブのオーディションで「歌や雑談等ゲーム以外のマルチな才能がどのくらいあるのか」を重視した結果、ゲーム一点特化型の実況者は残らなかったのかもしれない。いずれにせよ、ゲーム実況者を想定よりも取り込めなかった可能性は考えられる。

 

当初のコンセプトと現状とどちらが良いのか?

 では、当初のコンセプトと現状とどちらが良いのだろうか。私は「現状は、これはこれで良い。」と考えている。当初のコンセプトも見てみたかったが、先に挙げた要因を考えるとやがて迷走して遅かれ早かれ方針転換は避けられなかっただろう。白上フブキ戌神ころねの2名がチャンネル登録者数120万人を超えており(2021年1月現在)、どのホロメンも高い人気を得ている事を考えると、今の路線で行くのは正解だと思える。

 

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あとがき

 長々と書いてきたが、ここに挙げた事はただの個人的な妄想である。ホロメンの誰かに聞いた訳ではないし、カバー株式会社に取材した訳でもない。実際の内部事情とはおそらく異なっているだろう。だが、もし「答え」が明かされた際には、自分の妄想がどこまで正しかったのか確かめたい。憶測だけでどこまで「真相」にたどり着けたのか、そこが気になるからだ。