It's "C" time!!

ちふむ めしはしかやが気ままにつぶやきます。

「認識の違い」が生んだ悲劇(追記あり)

 芸能人が炎上しているのを見ると「もったいない」と思ってしまう。好きな芸能人なら尚更。炎上してしまう理由は「認識の違い」かもしれない。

 ナインティナイン岡村隆史さんのラジオ番組内での発言が問題となり、番組を放送したニッポン放送が謝罪した。(追記:その後、岡村さんも所属先の吉本興業を通して謝罪した。) 

4月23日『ナインティナイン岡村隆史のオールナイトニッポン』での発言について | オールナイトニッポン.com ラジオAM1242+FM93

吉本興業ホールディングス株式会社


ナインティナイン 岡村隆史のオールナイトニッポン 2020年4月23日

※(非公式動画です。)番組後半の1:32:30付近からが問題になった部分(リスナーさんに対して岡村さんが返信する形)

 

 自分は風俗には疎い人間だから、岡村さんの発言を聞いて「風俗業界ってそういうものなのかな」と思った。おそらく過去の経験から考えた「予測」であり、悪意を持って発言したものではない、とも感じた。このご時世で風俗に行ってしまった国会議員もいる中で、我慢している事そのものは立派だとも思った。

 一方で、危ない発言だなとも思った。藤田孝典さんの様に批判する人が出てきてもおかしくないと思ったし、藤田さんの捉え方も間違いではないな、と感じた。岡村さんは「楽しみ」とは言ってないけど、そういう風に感じる人もいるだろうな、と思った。

 

岡村隆史「お金を稼がないと苦しい女性が風俗にくることは楽しみ」異常な発言で撤回すべきではないか(藤田孝典) - 個人 - Yahoo!ニュース

 

 これは様々な「認識の違い」が生んだ悲劇なのではないか、と自分は感じた。先に挙げた捉え方の違いの他に、4つの「認識の違い」が思い浮かんだ。

 

 ①深夜ラジオに対する認識の違い

 ②岡村さん自身に対する世間の認識の違い

 ③風俗嬢に対する認識の違い

 ④現状認識の違い

 

 ①深夜ラジオに対する認識の違い

 自分自身は深夜ラジオを聞く事はあまりない。ただ、深夜ラジオは「チラシの裏」のようなものだと感じていたので「チラシの裏ぐらい好きにさせろ」と思っていたけれど、その認識は違うのかもしれない。深夜時間帯とはいえ公共性はあるし、「本人・スタッフとリスナーが楽しんでいるからいいだろ」という主張はもう通用しないのかもしれない。Twitterの過去の発言も問題になる現代社会において、本当に「チラシの裏」と呼べるのは文字通り「チラシの裏」だけかもしれない。

 

 岡村さん自身に対する世間の認識の違い

 そもそも岡村さんをどういう人物だと捉えているかもだいぶ差があるのではないか、と感じた。自分は岡村さんは「めちゃイケ」や「ぐるナイ」、最近は「チコちゃんに叱られる!」のイメージが強く、逆に岡村さんのラジオ番組は聞いていないのだが、普段岡村さんのラジオ番組を聞いている人とそうでない人ではおそらくイメージに差があるだろうし、そういう「認識の違い」が岡村さん自身の印象・好感度・評価等にもつながって、今回の騒動にも影響していると感じる。

 

 風俗嬢に対する認識の違い

 あの発言を聞いて、岡村さんは風俗嬢を見下しているとは思えなかった。「貧困の為風俗で働く」と聞くと例えば「籠の中の鳥」をイメージしてしまうのだが、岡村さんは「渡り鳥」の話をしたかったのかな、と思った。コロナが収束すれば、どこからやってくるかは知らないが、自由に空を飛んでいる美しい「渡り鳥」が一時期やってきて去っていく。だからそれまで我慢しよう―岡村さんはこう伝えたかったのかな、と感じた。

 

 現状認識の違い

 現状認識の中でも、主に「コロナの影響」と「自身の発言の影響力の大きさ」で違いがあるのかな、と感じた。

 今はコロナ関連で人々に生活や気持ちの余裕はなくなり、ストレスの溜まっている人は結構多いのではないか。そうなると、今までは許されていた・スルーされていた発言も、場合によっては反感を買うようになってしまう。今後もいろいろな発言が炎上しやすい状態が続いてしまうだろう。健康にしろ経済にしろ命の危険性が高まり、今までよりも殺気立っている時代になってしまった。その変化を感じて受け入れて、考えなければならない。

 自身の発言の影響力の大きさは難しい問題だ。「発言する権利」は平等だが、「発言の影響力」は平等ではない。有名人が発言すればニュースになる。一つ発言すれば称賛され、一つ発言すれば批判される。そういう時代である。岡村さんに限らず、有名人は自身の発言力の大きさを現実として把握してほしい。一方で、有名になって変にどこかに配慮して薄っぺらい発言をするよりは、以前と変わらずにズバズバ発言している方が自分は好きだし、大御所感やカリスマ性を途中から打ち出すくらいなら、年をとってもくだらない発言を続ける方が自分は好きだ。だから、自身の発言の影響力は自覚してほしい、だけど影響力を行使して変な方向に人々を誘導しないでほしい、という気持ちもある。この2つは対立する可能性もあるので、難しい問題だと感じている。

 

 ゲスい言い方だけど、何も謝罪しないで叩かれるよりは、謝罪して少しでも味方を増やす方が結果的に良い事もある。だから岡村さん及びニッポン放送が謝罪したのは良い事だと思う。謝罪に関連して高須院長がTwitterで発言したけど、それはきっと岡村さんを救う事になるだろう。その点で、謝罪したのは良かったと感じる。一方で、先に挙げた藤田さんの記事の後半に社会の不備を指摘する部分があるが、鋭い視点だと感じた。社会全体が「生活に困っても風俗の仕事があるからヨシ」となってはならないのである。

 

 岡村さんは自分の大好きな芸人の一人だし、「めちゃイケ」や「ぐるナイ」などで沢山笑った。今も面白い芸人だと思っている。だから、誰も得しない今回の炎上を見ると「もったいない」と思ってしまう。好きな芸能人なら尚更。

 

新たな展開がありました→https://chifumu-m.hatenablog.com/entry/2020/05/01/232412